柴田柴田

【経験談あり】海外でクレジットカードが使えない8つの理由と対処法

『クレジットカードは海外旅行の必須アイテム!』なのですが、海外でクレジットカードが使えないことがあるって知っていますか?

柴田
こんにちは!

今回ご紹介する『海外でクレジットカードが使えない8つの理由』のすべてを経験したことのあるロンドン在住の元CA、柴田です。

海外はクレジットカード社会っていうから、現金はほとんど持ってこなかったのに…頼りのクレジットカードが使えないなんて、困ってしまいますよね。

東京の外資系ホテルに勤務していたときには、海外から日本に到着したばかりのゲストのカードが使えないという、逆のパータンに日常的に遭遇していました。

日本で発行されたカードだけに限らず、海外でクレジットカードが使えなくなるのは『海外旅行あるある』なのです。

だからといって「怖いから、全部現金で持っていこうかな…」なんて、心配しなくても大丈夫ですよ!

前もって、クレジットカードが使えなくなる原因と対処法を知っておけば、パニックにならずに、楽しい旅行が続けられます。

ではさっそく、なぜ海外旅行中にクレジットカードが使えなくなるのか?8つの理由から見ていきましょう。

海外でクレジットカードが使えない8つの理由

「さっきまでは普通に使えていたのに…」

海外で、クレジットカードが突然使えなくなる理由は何なのでしょうか?

私がよく遭遇した『あるある度』の高い順に紹介していきますね。

1.不正使用の疑いでクレジットカードがロックされた

私のホテル勤務時代に、海外からのゲストのクレジットカードが使えなかったときも、ほぼ100%これが原因でした。

普段とはまったく違う場所でクレジットカードが使用されたため、誰かがあなたのカードを不正使用していると思われて、セキュリティーロックがかかってしまったのです。

同じお店で、連続で支払いをした場合にも「怪しい!」と思われて、ロックされることがあります。

最近は、ほとんどのカード会社で、この『カード不正利用検知システム』が導入されているので、今までは大丈夫だったという方も安心できません。

ちなみに日本国内でも、海外のサイトでショッピングをしているときに、『海外で不正にクレジットカードが使われた』と勘違いされて、クレジットカードがロックされてしまうことがあります。

でもそんなときは、カード会社に電話すれば、すぐにロックは解除されるので、あまり心配しなくても大丈夫です!

triko
ホテルや高級ブランドショップでは、その場でカード会社に連絡できるように、電話を貸してくれるところも多いですよ。

2.暗証番号を連続で間違えてクレジットカードがロックされた

海外のカード払いは、サインではなく、4桁の暗証番号(PIN)を入力する方法が主流です。

PINナンバー

この暗証番号を何回か連続で入力し間違えると、カード会社がクレジットカードをロックしてしまいます。

通常は、3回連続で間違えるとアウトです。

この『3回連続』というのが、ちょっとくせ者で…日付が変わったり、お店を変えても、間違えた回数がリセットされるわけではありません。

たとえば、

  • お店Aで2回入力ミス+お店Bで1回入力ミス=アウト
  • 昨日1回入力ミス+今日2回入力ミス=アウト

となります。

カウントがリセットされるのは、正しい暗証番号を入力したときだけです。

『カード不正利用検知システム』と違い、暗証番号間違いでロックされた場合は、カードの再発行が必要になるので気をつけましょう!

三井住友カードの公式サイトによると、『暗証番号での決済はできないが、サインでの決済なら使えることがある』ようです。

試してみる価値はありますが、海外の場合は、お店に断られる可能性が高いでしょう。

triko

暗証番号を入力している途中でド忘れしてしまったら、いったん赤いキャンセルボタンを押して、支払い自体をいったんキャンセル。

落ち着いて暗証番号を思い出したら、もう一度最初から操作をやり直してみてくださいね。

3.クレジットカードブランドの加盟店ではない

クレジットカードには、VISAやMastercard、JCBなどのロゴがついていますよね。

このロゴは、クレジットカードブランドと呼ばれていて、基本的にクレジットカードは、そのブランドの加盟店でのみ使用できます。

海外旅行には、加盟店が多いVISAカードやマスターカード(ハワイならJCB)を持っていくか、ブランドの違うクレジットカードを複数枚持っていくのがおすすめです。

ちなみにイギリスに行く予定の方は、アメリカン・エキスプレスが使えないお店が多いので、気をつけてくださいね!

4.クレジットカードの利用限度額を超えた

買い物をしすぎた女性

クレジットカードの限度額に達してしまうと、利用残高の支払いをするまでは、そのカードが使えなくなります。

海外旅行中はクレジットカードを使う機会がぐっと増えるので、気づかないうちに限度額に達していることも珍しくありません。

またホテルやレンタカーのデポジットとして、クレジットカードを提示した場合も注意が必要です。

実際にチャージはされていなくても、利用枠の『仮押さえ』をされているの状態なので、その分、使える金額が少なくなっていることを忘れないようにしましょう!

5.クレジットカード決済端末の操作ミス

海外でカード払いをするときは、自分でクレジットカードを決済端末に差し込んで操作をすることがほとんどです。

操作といっても、4桁の暗証番号を入力してENTERキーを押すだけなのですが、国によっては、支払い方法を選択しなければならないことがあります。

そのときに、現地のカードでしか選べない支払い方法を選択したり、カードを抜き取るタイミングが早すぎたりすると、支払いが拒否されてしまいます。

支払いに失敗したことを証明する『Declined receipt』というレシートが出てくるので、捨てずに保管しておきましょう!

帰国後にカード利用明細と照らし合わせて、二重でチャージされていないかを確認できます。

海外でのクレジットカードの使い方については、下の記事で詳しく説明しています。海外のクレジットカードの最新事情がわかるので、ぜひ読んでみてくださいね(^^)

クレジットカードでの決済

海外でのクレジットカードの使い方と利用時の注意点【支払い方法の最新情報有り】

2020-04-13

6.クレジットカードの不具合

磁気タイプのクレジットカードは、磁気不良を起こしていると端末に読み込まれません。

国によっては、そもそも磁気タイプのカードそのものが使えないお店もたまにあります。

手持ちのクレジットカードがまだ磁気タイプの場合は、クレジットカード会社に連絡して、ICチップ搭載のカードに変えておいたほうが安心でしょう。

VISAカードとspgアメリカンエキスプレスカード

ICチップ搭載のクレジットカード

7.クレジットカードの支払いが延滞している

クレジットカードの支払い延滞も、カードが使えなくなる原因のひとつです。

とくに長期旅行中だと、引き落としができなかったことに気づくまでに時間がかかって、最悪の場合、クレジットカードを没収されることもあります。

私も学生時代にロンドンへ2か月間のホームステイに行ったときに、これをやってしまいました。

たまたまアルバイトのお給料の振込がいつもより遅れていたようで、5円くらいクレジットカードの引き落とし日に残高が不足していたのです…。

当時はオンラインバンキングもなかったので、まさか延滞しているとは知らずに過ごしていたら、ある日突然クレジットカードが使えなくなったではないですか!

あわててカード会社に電話をして事情を説明、というより泣きついたところ(笑)、帰国後すぐに利用残高を精算すれば見逃してもらえることになりました。

なんとかカード没収は免れましたが、帰国まで手持ちの現金で暮らすサバイバル海外生活…苦い思い出です(苦笑)

8.クレジットカードの有効期限切れ

クレジットカードの有効期限って、新しいカードが送られてくるまで忘れていることも珍しくありませんよね。

有効期限が切れているカードはもちろん使えないので、前もって有効期限が十分にあるのか確認しておきましょう。

とくに出発日が有効期限の最終月の場合は、要注意です!

新しいカードは、有効期限の最終月のどこかで届くことが多いのですが、たまに本当にギリギリまで届かなくて「もう、期限切れちゃう…」と、心配になることがあります。

その逆で、まだ2,3か月も有効期限があるのに、やたら早いタイミングで送られてくることも。

古い方のカードはまだ有効なので、すぐに切り替える必要はないのですが、できるだけ早く新しいカードの使用開始をおすすめします!

というのもつい最近、これが原因で私のカードが急に使えなくなりました。

カード会社に電話をすると、「新しいカードが届いていてますよね?そっちを使ってください。」とのこと。

たしかに新しいカードはしばらく前に届いていたのですが、古いカードの有効期限はまだまだ先だったので、そのまま使っていたのです。

「有効期限内なのに…」と、なんとも納得のいかない理由でしたが、そういうケースもあるということです。

これが、海外旅行中だったら、本当に困りますよね?

クレジットカードの有効期限が近いときは、

  • 有効期限の最終月に出発するとき:カード会社にお願いして、早めに新しいカードを送ってもらう
  • 新しいカードが早めに届いたとき:古いカードはさっさと処分して、すぐに新しいカードを使い始める

を、実践しておきましょう!

海外でクレジットカードが使えないときの対処法

ここからは、上記の8つの理由を踏まえた上で、『海外でクレジットカードが使えないときの対処法』について解説していきます!

店員さん
  • 『I’m afraid your credit card has been declined.』
  • 『I’m afraid the transaction didn’t go through.』

と、店員さんに言われた場合や、

クレジットカードの操作端末のディスプレイに、

  • Declined
  • Rejected
  • Transaction failed

といった英単語が表示されたら、クレジットカードが使えなかったという意味です。

『さっきのお店では使えたのに、どうして?!』と、いくら聞いても、店員さんに原因はわかりません。

まずは落ち着いて、次の2点をチェックしましょう。

チェックポイント
  • クレジットカードの有効期限を再確認
  • クレジットカードブランド(VISA、JCBなどのロゴ)の取扱があるかを店員に確認

チェックし終えたら、次の対処法を実行しましょう!

対処法1:別のクレジットカードで支払う

有効期限切れや、クレジットカードブランドの加盟店ではないことが原因の場合は、別のカードか現金で支払いましょう。

あなた
Try this one.
(これを試してみて)

と言って、別のカードを差し出せばOKです。

対処法2:クレジットカード会社に電話する

海外での「原因はわからないけど、いきなりカードが使えなくなった!」は、クレジットカード会社に電話をすれば、ほとんど解決です!

海外からの電話番号は、クレジットカードの裏に書かれてあります。

先ほども書きましたが、ホテルや高級ブランドショップなどでは、その場でお店の電話を貸してくれることが多いでしょう。

ただし原因によっては、カードの再発行が必要な場合もあります。そうするともう、旅行中にそのカードは使えないので、予備のカードは必ず持っていきましょう!

海外旅行に出発する前にできる5つの予防策

クレジットカード会社に電話をすれば大丈夫、とはいえ、できれば海外旅行中にクレジットカードが使えないというトラブルは避けたいですよね!

そこで出発前にできる予防策を、5つご紹介します。

予防策1:クレジットカード会社に前もって連絡

海外旅行することを、事前にクレジットカード会社に連絡をするのは義務ではありません。

でもほんの一手間、『◯月◯日から◯月◯日まで(国名)に行くので、ロックをしないでほしい』と伝えておくと、『カード不正利用検知システム』が緩和されます。

絶対にロックされないというわけではありませんが、確率はかなり下がるのでおすすめです。

予防策2:クレジットカードを複数枚準備

お店が手持ちのクレジットカードブランド非対応だったり、カード自体が損傷してしまった場合に備えて、クレジットカードは複数枚準備しておきましょう。

『何枚持っていけばいい?』『どの会社を選ぶべき?』と悩んでいる方は、こちらの記事が参考になりますよ(^^)

複数枚のクレジットカード

海外旅行にクレジットカードは何枚持って行くべき?必要枚数とおすすめクレジットカードを紹介

2020-04-13

予防策3:クレジットカードの暗証番号を確認

普段使わないクレジットカードだと、暗証番号をとっさに思い出せないこともありますよね。

日本と違い海外では、『暗証番号を忘れたから、サインでお願いします。』は、まず通用しません。

連続で間違えると、旅行中にそのカードは使えなくなるので、暗証番号はしっかり確認しておきましょう。

覚えにくい暗証番号は、覚えやすいものに変更しておくのもいいでしょう!

暗証番号通知書をなくした場合は、電話やインターネットから照会の申し込用紙を請求できます。

郵送でのやり取りになるので、遅くとも出発の2〜3週間までには済ませておきましょう。
(カード会社によっては、オンラインアカウント上で照会・変更が可能です。)

予防策4:磁気タイプのカードはICチップ搭載に変更

磁気タイプのカードは、磁気不良のトラブルが起きやすく、国によっては使えない場合もあります。

カードの更新のタイミングで、すでにICカードに変わっている方がほとんどではないかと思いますが、まだ磁気カードの方は、クレジットカード会社に連絡してICカードに切り替えてもらいましょう。

VISAカードとspgアメリカンエキスプレスカード

ICチップ搭載のクレジットカード

有効期限が切れる月に出発をする場合も、新しいカードを早めに送ってもらえるように、お願いしておくことをおすすめします。

どちらも新しいカードが届くまでに数週間かかるので、早めに準備を始めましょう!

予防策5:クレジットカードの限度額を一時的に引き上げる

ホテルのデポジットやショッピング、両替代わりにキャッシングなど、海外旅行中はクレジットカードを使う機会が普段よりずっと多くなりますよね。

旅行中に限度額に達してカードが使えない、という状況を避けるためには、限度額の一時増額サービスに申し込むのがオススメです。

とくにクレジットカードを作ったばかりの方や学生さんは、限度額が低めに設定されていることが多いので注意しましょうね!

クレジットカードの限度額を引き上げるのは、ネットからも可能ですし、もちろんカード会社に電話する方法でも可能です。

海外でクレジットカードが使えない理由と対処法のまとめ

今回は、海外でクレジットカードが使えない8つの理由と、その対処法についてお伝えしてきました。

私自身もすべて経験した8つの理由をおさらいすると…

  1. 不正使用の疑いでクレジットカードがロックされた
  2. 暗証番号を連続で間違えてクレジットカードがロックされた
  3. クレジットカードブランドの加盟店ではない
  4. クレジットカードの利用限度額を超えた
  5. クレジットカード決済端末の操作ミス
  6. クレジットカードの不具合
  7. クレジットカードの支払いが延滞している
  8. クレジットカードの有効期限切れ

最近は、どのカード会社も『カード不正利用検知システム』を導入しています。

そのため、セキュリティーのためにロックされる可能性があるということは、頭の片隅に入れておきましょう。

『そいういうことがある』と、知っているだけでも、海外旅行中のパニックを回避するのに役立ちますよ。

海外でクレジットカードが使えなくなったときは、とにかく落ち着いて、カード会社に電話、と覚えておけばOKです!

出発前にできる予防策も組み合わせれば、鬼に金棒。海外旅行先でのストレスを減らして、旅を思いっきり楽しみましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

柴田

元キャセイパシフィック航空の客室乗務員。大分県出身。

CA歴は8年。これまでに訪れたことのある国は15ヵ国以上、複数の国で海外在住の経験もあり、現在もヨーロッパに在住で2児の母親。今までに行ってよかった国はイギリス。

趣味は語学習得とアロマセラピー。本場イギリスでセラピストの資格を取得。英語とフランス語はネイティブ並みで、現在はポーランド語、広東語を勉強中!
クレジットカードが使えない