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飛行機にリチウム電池(リチウムイオン電池)は持ち込める?

「リチウム電池・リチウムイオン電池内蔵の電子機器や、予備のバッテリーは機内持ち込みできるの?」
「預けることはできるの?」

いきなりですが、こんにちは!
大阪伊丹空港で7年間グランドスタッフとして、空港のチェックインカウンターや手荷物カウンターで勤務していました岡本と申します!

現役時代、空港の保安検査場や荷物を預けるカウンターで、リチウム電池が内蔵された電子機器や予備のバッテリーを確認する手続きのために、足止めされているお客様をたくさん見てきました(>_<)

パソコンや腕時計、予備のバッテリーなど、リチウム電池やリチウムリオン電池が内蔵された電子機器は意外と多いですよね。

ですのでこの記事では、空港でのスムーズな手続きができるように、飛行機へリチウム電池を持ち込む際の疑問に、お答えしていきたいと思います(^^)

私が長年、空港のカウンターで経験してきた事も盛り込んでいますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!

リチウム電池(リチウムイオン電池)は機内に持ち込めるが、預ける際は要注意!

リチウム電池は、腕時計などの電子機器に内蔵されているものから、モバイルバッテリーなどの予備のバッテリーといった単体のものまで、制限の範囲内であれば機内持ち込みが可能です。

ただし預け入れ荷物として預けるときは、少し注意が必要です!

たとえばリチウム電池・リチウムイオン電池が内蔵された電子機器は、スーツケースに入れて手荷物として預けることはできます。

しかし予備のバッテリーといったリチウムイオン電池単体の物(モバイルバッテリーなど)は、預け入れすることができません。



「あれ、少し分かりにくいぞ…。」と思いませんでしたか?

そうなんです(^^;)
リチウム電池とリチウムイオン電池は似たような名前ですが、別のものなので、航空法による制限範囲も異なります。

ですので、まずは【リチウム電池とリチウムイオン電池がどう違うのか?】というところから確認していきましょう!

預けられない理由や、航空会社の制限の範囲についても、のちほど詳しくご説明します(^^)

リチウム電池とは

飛行機へ持ち込めるリチウム電池には、リチウム電池と、リチウムイオン電池の2種類があります。

なんだか名前が似ていて、ややこしいですよね(^^;)

イメージしやすいように、それぞれの特徴や、どういった電子機器に使用されているのかをご紹介していきます。

リチウム電池

リチウム電池とは、簡単にお伝えすると、『使い捨てのタイプの電池』です。

腕時計や、電卓によく使われており、コイン型の電池としての多く普及しています。

リチウム電池

リチウム電池の例

リチウムイオン電池

リチウムイオン電池は、こちらは一言で言ってしまえば、『充電式の電池』です。

スマートフォンや、パソコンなどに内蔵されていて、充電して繰り返し使用できるので、電子機器によく使われます。

リチウムイオンバッテリー

リチウムイオン電池の例

モバイルバッテリーのような、予備のバッテリーとして使われている物も、リチウムイオン電池が内蔵されているのが一般的です。

リチウムイオン電池の特徴としては、寿命が長く、繰り返し利用できることが挙げられます。

triko
モバイルバッテリーの機内持ち込みについて、詳しく知りたい方は、下の記事もあわせて読んでみましょう!

モバイルバッテリーで充電中のスマホとPC

モバイルバッテリーは飛行機内に持ち込みできる!ただし個数と容量に注意!

2019-02-06

リチウム電池・リチウムイオン電池を使用した電子機器の例

リチウム電池やリチウムイオン電池は、片手で持てるような携帯電話から、電動自転車のような乗り物まで、さまざまなものに使われています。

そこで、リチウム電池やリチウムイオン電池が使われている、代表的な電子機器をまとめてみました。

  • スマートフォン・携帯電話
  • タブレット
  • ノートパソコン
  • 腕時計
  • 電卓
  • 無線機(トランシーバー)
  • デジタルカメラ
  • ドローン
  • 電子タバコ
  • AED(自動体外除細動器)
  • 電動車椅子
  • 電動自転車

パソコンやスマートフォン、デジカメなど、かなり身近なものに、使われていますよね!

お次は、リチウム電池の危険性について説明していきます。

リチウム電池の危険性とは?輸送に制限がある理由

リチウム電池の危険性とは、損傷などが原因で自然に熱を持ってしまい、発火や爆発の恐れがあることです。

たとえば、「携帯電話が、ひとりでに熱くなっていた!」という経験はありませんか?

リチウムイオン電池が原因で、頻繁に自然発火が起こった『サムスン電子社製ギャラクシーノート7』は、航空機への全面持ち込み禁止が決定しているほどです(>_<)

発火するリチウムイオン電池

サムスン電子社製ギャラクシーノート7(日本では未発売)については、発火等の事案が発生していましたが、我が国において、同製品の航空機への持ち込みを全面的に禁止しました。

国土交通省HP

これまでに、リチウム電池が原因の飛行機事故も起こっているので、各航空会社が輸送制限を設け、取り扱いに慎重になるのも納得ですよね…。

それではここからは、リチウム電池・リチウムイオン電池を飛行機へ持ち込む場合のルールについて、みていきましょう!

リチウム電池に関する航空会社のルール

こちらでは、リチウム電池・リチウムイオン電池の飛行機への持ち込みに関して、航空会社のルールを解説していきます。

ANA、JALのルールを参考に、リチウム電池・リチウムイオン電池の取り扱い情報を、一覧表と8つのポイントにまとめてみました。

まずは一覧表から!

【リチウム電池】
リチウム電池の取り扱いは、リチウム含有量がカギになります。

種類リチウム含有量機内持ち込み預け入れ
電子機器に内蔵された電池2g以下の場合
2gを超える場合
X
X
予備の電池
※ショート防止のため、個別に保護されていることが条件
2g以下の場合
X
2gを超える場合
X
X

【リチウムイオン電池】
一方、リチウムイオン電池の取り扱いのカギは、ワット時定格量(Wh)です。

種類ワット時定格量(Wh)機内持ち込み預け入れ
電子機器に内蔵された電池(パソコン等)
160Wh以下の場合
160Whを超える場合
X
X
予備の電池(モバイルバッテリー)100Wh以下の場合
X
100Whを超え、160Wh以下の場合
※2個が上限
X
160Whを超える場合
X
X

リチウム電池はリチウム含有量が2g以下、リチウムイオン電池ではワット時定格量が160Wh以下であれば、機内に持ち込めます(個数制限あり)。

ただし破損した予備電池は、預け入れも機内持ち込みも禁止です。

機内持ち込みの際には、保安検査場でパソコンや予備のバッテリーの確認があります。

スムーズに保安検査を受けられるよう、事前にカバンから取り出しおきましょう(^^)

つづいて、リチウム電池を飛行機に持ち込む際の、8つのポイントを説明していきますね!

1.外資系の航空会社は、リチウム電池の取り扱いが異なるので、事前確認をする

外資系の航空会社も、リチウム電池の取り扱いに関しては、大きな違いはありませんが、細かい取り扱いが異なる場合があるので注意しましょう!

たとえばハワイアン航空では、『リチウム電池の予備のバッテリーは、ワット時定格量に関わらず、機内持ち込みは2個まで』という制限を設けています。

利用する航空会社のHPや窓口で、事前に確認しておくと安心ですね(^^)

2.大型の電子機器には要注意!

身の回り品としての電子機器、たとえば携帯電話やカメラ、腕時計、パソコンなどは、リチウムイオン電池の機内持ち込み制限範囲(160Wh)を超えることは、ほとんどありません。

ですがドローンなどの大型の電化製品は、製品によってワット時定格量が160Whを超えることがあるので要注意です!

3.大型の予備電池の場合は持ち込む際にも要注意!

大型の予備電池の場合は、短絡防止処置(ショート防止)として、専用の収納容器に入れるか、端末を絶縁状態にしましょう!

絶縁状態にするには、テープで保護したり、プラスチックの袋や保護パウチに電池を個々に収納するといった方法があります。

4.電子タバコは機内持ち込みのみ可能!

一般的な電子タバコには、リチウムイオン電池が内蔵されておりますが、ほかの電子機器の取り扱いとは異なり、機内持ち込みのみ可能となっています。

triko
電子タバコは機内に持ち込めますが、機内での使用はほとんどの航空会社で禁止されているので気をつけてくださいね!

5.電動の乗り物は、機内持ち込みも預け入れも不可!

電動の乗り物(ホバーボード、電動スケートボード、セルフバランスボード、電動自転車など)は、機内持ち込みも預け入れもできません。

陸送の手配が必要になるので、ご注意ください!

6.電動車椅子のリチウムイオンバッテリーは条件が異なる!

電動車椅子など、医療用の補助機器に関しては、一般的な電子機器や、電動の乗り物とは取り扱い条件が異なります。

たとえばANAでは、電動車椅子用のリチウムイオンバッテリーの場合、

  • ワット時定格量(Wh)が160Wh以下のものは、1人あたり2個まで機内持ち込み可能。預け入れは不可。
  • ワット時定格量(Wh)が160Whを超え300Wh以下のものは、1人あたり1個まで機内持ち込み可能。預け入れは不可。
  • ワット時定格量(Wh)が300Whを超えるものは機内持ち込み、お預けともに不可。

となっています。

短絡防止処置(ショート防止)は各航空会社の係員が目視で確認するなど、手続きに時間を要することが予想されるので、できるだけ早めに受付をすませましょう!

7.リチウムイオン電池が内蔵・装着されたスマートバゲージの取り扱い

リチウムイオン電池が内蔵・装着されたスマートバゲージは、電池を取り外せば飛行機への持ち込みが可能です

スマートバゲージとは?
スマートバゲージとは、電子機器への充電やGPS、Bluetooth、Wi-Fiなどの機能がついたカバンのことです(^^)

一般的なカバンとは取り扱いが異なり、リチウムイオン電池を取り外すことができれば、取り外した状態で機内持ち込み・預け入れができます。

しかし電池を取り外せない場合は、機内持ち込み、預け入れともに不可となるので気をつけましょう!

8.ワット時定格量の計算方法

リチウムイオン電池のワット時定格量がわからないときは、つぎの計算方法で割り出せます。

電圧などは、バッテリー本体や取扱書やウェブサイトなどで確認しましょう。

ワット時定格量の計算方法
ワット時定格量(Wh)= 定格定量(Ah)× 定格電圧(V)

リチウム電池が内蔵された電子機器を、預け入れする際の注意点

リチウム電池内蔵の電子機器を預ける際には、次の2点に注意しましょう!

リチウム電池内蔵の電子機器を預ける際の注意点
  1. 完全に電源をオフにする
  2. 作動や損傷による発火を防ぐためにしっかり梱包

リチウム電池内蔵の電子機器は、預け入れ可能ですが、パソコンなどの貴重品は破損しても補償の対象外となります(>_<)

なるべく機内に持ち込むか、梱包をしっかりして破損を防ぎましょう!

リチウム電池・リチウムイオン電池の飛行機への持ち込みまとめ

この記事では、飛行機へリチウム電池やリチウムイオン電池が内蔵された電子機器、モバイルバッテリーなどの予備のバッテリーを持ちこむ方法についてお伝えしました。

最後にもう一度、大切なポイントをまとめると…

リチウム電池やリチウムイオン電池が内蔵された電子機器は、つぎの条件を満たせば、機内持ち込み、預け入れともに可能です。

リチウム電池の場合
  • リチウム含有量が2g以下であること
  • 預け入れる場合は、破損を防ぐためしっかり梱包すること
リチウムイオン電池の場合
  • リチウムイオン電池が使用されているモバイルバッテリーは、機内持ち込みのみ
  • ワット時定格量が160Wh以下であること

そして各航空会社でルールが異なることもあるので、利用する航空会社のウェブサイトや窓口で、事前に確認することをオススメします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました(^^)

こちらの記事が、少しでもみなさんの空の旅のお役に立てばうれしいです♪

ADVISORこの記事を監修した人

Asumi

元ANA客室乗務員。高知県出身。
大学在学中に友人とバックパックでヨーロッパ一周など、これまで仕事を含め、旅した国は25ヵ国。結婚後1年間は沖縄の石垣島で過ごし、2児の母。
元客室乗務員としてのホスピタリティと、その豊富な旅行経験をもとに、トリップアテンダントでライター・監修者として活動。

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