「赤ちゃん用のベッドがあるって聞いたけど、誰でも予約できるの?」
「バシネットが利用できるのは、何歳まで?」
そんなベビーバシネットに関する疑問がある方に向けて書いています(^^)
赤ちゃん連れで旅に出るときには、赤ちゃんの健康のこと、食事のこと、持って行くべきものなど、色々と準備が大変で、飛行機に乗り込むまでにすでに一苦労ですよね?
飛行機の中では到着地でのことも考えて、少しでもゆっくりと過ごしたいものです。
バシネットについて知っておけば、お母さま・お父さまにも心の余裕が生まれ、きっと赤ちゃんも安心して過ごしてくれますよ(^^)
目次
飛行機用のバシネットとは赤ちゃん用のベッドのこと
バシネットとは、機内に設置できる赤ちゃん用の簡易ベッドのことです。
航空会社によって、さまざまな呼び方がありますが「バシネット(bassinet)」と言えば、海外の航空会社でも通じます。
JALは国際線の機材のみ、ANAでは一部の機材を除く国内線でも、無料で設置することができます。
バシネットが使える赤ちゃんの条件
バシネットを使える条件は、各航空会社によって異なりますが、ANAだと年齢制限はなく、10kgまでの赤ちゃんです。
JALだと、2歳未満(0歳から1歳まで)かつ、体重10.5kgまでの赤ちゃんです。
さらに各航空会社によってバシネットの大きさが違ったり、赤ちゃんの体重制限に違いがあったりするので、バシネットを利用しようと考えている場合は、ご利用の航空会社の決まりを確認するとともに、赤ちゃんの体重・身長も加味してくださいね!
参考までに、各航空会社のバシネットについて、簡単に比較してみましょう。
JAL体重制限 | 年齢制限 | バシネットのサイズ(長さ×幅×深さ) | |
---|---|---|---|
JAL | 10.5kgまで | 2歳未満 | 77cm×32.5cm×15cm 機材によって2種類あり |
ANA | 10kgまで | 年齢制限なし | 85cm×45cm×33cm |
ハワイアン航空 | 9 kg未満 | 2歳未満 | 81.3cm×36.8cm×17.8cm |
ユナイテッド航空 | 10kg未満 | 年齢制限なし | |
デルタ航空 | 9 kg未満 (身長66cm以下) | 年齢制限なし | |
シンガポール航空 | 14kg未満 | 年齢制限なし | 76.8cm×29.8cm×15.8cm |
エアアジア | 11kg未満 | 年齢制限なし | 75cm×34cm×22.4cm |
ジェットスター | 体重制限なし | 2歳未満 |
バシネットの設置場所
バシネットは客室のどこにでも設置できるわけではなく、基本的には客室を仕切る壁に設置します。
そのため機材によって設置できる台数が決まっており、バシネットをリクエストしても必ず使用できるとは限りません。
エコノミークラスだけでなく、ファーストクラス、ビジネスクラスにも設置できますが、こちらも設置できる座席は決まっています。
バシネットが設置できる位置の参考例(JAL-777)
ピンクの枠で囲ったグリーンに斜線が入ったマークのところが、バシネット設置箇所
バシネットが使えるタイミング
「飛行機に乗り込んだら、すぐに赤ちゃんをバシネットに寝かせられて、楽になる!」と思っていらっしゃる方も多いと思います。
実はバシネットは、離陸前には使用できません。
ここでバシネットが使えるタイミングについてわかりやすくご説明します。
バシネットの設置は離陸してから
バシネットが設置できるのは、飛行機が離陸して、シートベルトサインが消灯してからです。
離着陸時は緊急事態に備えてすぐに脱出できるようにするため、脱出の妨げになるものは設置できない決まりになっています。
着陸準備とともに、バシネットもお片づけ
国際線では、飛行機が目的地に着く約1時間前、国内線では目的地に着く約20分前から、機内は着陸に向けて慌ただしくなってきます。
お子さまがどんなにぐっすり眠っていても、この時間が過ぎたらバシネットはそろそろお片づけの時間。
CAが着陸の準備をお願いするために声をかけにくると思いますので、バシネットを片づけられるようご協力ください(^^)
シートベルトサインが点灯した時は、バシネット使用不可
飛行機は航行中に揺れに遭遇することがあり、その際にはシートベルト着用のサインが点灯します。
その際には、すぐにバシネットのお子さまを抱きあげ、抱っこしてからご自身のシートベルトを着用します。
バシネットには安全カバーがついていますが、安全カバーは赤ちゃんの落下防止のためのものであり、シートベルトの役割ではないからです。
大きな揺れに遭遇した場合、バシネットの中で赤ちゃんが跳ね上がってしまう危険性がありますので、くれぐれも気をつけましょう。
バシネット 使用上の注意点
バシネットを使用する際には、3つほど気をつけなければいけないことがあります。
- バシネットに寝かせる時の赤ちゃんの向き
- バシネットの安全カバーは必ずつけておく
- バシネットをベビーサークル替わりに使わない
それでは、さっそく1つずつ確認していきます!
バシネットに寝かせる時の赤ちゃんの向き
赤ちゃんをバシネットに寝かせる時は、赤ちゃんの頭が通路と反対側になるようにします。
お母さま・お父さまには、いつも赤ちゃんを抱っこしている向きがあるので、そのままバシネットに寝かせたいところですが、機内は狭い上にバシネットを設置している近くにはトイレがあったり、CAの作業している場所があるため、人の移動が激しい場所でもあるんです。
万が一のことを考えて、赤ちゃんに害が及ばないようにしたいものですね(^^)
バシネットの安全カバーは必ずつけておく

バシネットの安全カバーにはシートベルトの役割はありませんが、赤ちゃんがバシネットから落下するのを防いでくれます。
「安全カバーは窮屈でかわいそう・・・おとなしく寝ているし、落ちそうになったら手を出すから大丈夫!」
お子さまがかわいそうな気持ちよくわかります・・・お世辞にも安全カバーをすると寝心地がよさそうには見えませんよね(^^;)
ただそう思っていても、赤ちゃんは予想外の動きをすることもありますので、かわいそうに思えるかもしれませんが、何かが起きてしまう前に、安全カバーをつけて危険を防止しましょう。
バシネットをベビーサークルがわりに使わない

「せっかく使おうと思っていたバシネットで赤ちゃんが寝てくれない。動きたがるので、バシネットのなかで遊ばせておこう」
これは本来のバシネットの使い方ではありません。バシネットは壁に特殊なピンを差し込んで設置するので、激しい振動に耐えるようにはできていないので少し危険です。
またバシネットの深さは15cmから35cm程度ですから、赤ちゃんが身を乗り出すと赤ちゃんが落下したり、場合によってはバシネットに無理な力がかかって、バシネットごと落下する危険性もあります(^^;)
赤ちゃんが起きてしまってバシネットが邪魔になる場合は、一度バシネットを片付けてもらうのも手かもしれませんね。
バシネットを利用するメリット
色々な制約があるバシネットの利用ですが、赤ちゃんが普段寝ている時間のフライトや長時間のフライトでは、お母さま・お父さまの手が少しでも空くので、便利ですよね!
赤ちゃんをずっと抱っこしていなくて済むので、負担も減るでしょう。
バシネットを設置する座席は足元が広い席が多いので、圧迫感なく過ごせるのもメリットの1つです。
バシネットを利用するデメリット
バシネットのデメリットは大きく3つあります。
- 離着陸時は足元に荷物が置けない
- 肘掛けが上がらない、テーブル・モニターの取り出しが面倒
- 他の赤ちゃんと隣同士になる
1つずつ、詳しく解説していきましょう!
離着陸時は足元に荷物が置けない
バシネット席は前に座席がないので足元は広いのですが、離着陸時には手荷物を足元に置くことができないため、すべての荷物を一度上の棚に収納する必要があります。
赤ちゃん連れだとお菓子やおもちゃなど、すぐに使いたい荷物がたくさんあるので、ちょっと面倒ですよね。

シートポケットにちょっと入れておくくらいのものなら、上の棚に上げなくても大丈夫かもしれません。
ただしCAが危険だと感じた場合は、上の棚への収納をお願いすることもあります。
肘掛けが上がらない、テーブル・モニターの取り出しが面倒

バシネットが設置できる座席は、上の写真のように前に座席がないため、肘掛けのなかにテーブル・モニターが収納されているタイプが多く、その結果、肘掛けが普通席のように上がりません。
またテーブルやモニターを使用するためには、わざわざ肘掛の中から取り出さなければなりません。

他の赤ちゃんと隣同士になる
バシネットを固定する位置は決まっているため、赤ちゃん同士が集まるエリアがあります。
自分の子がおとなしく寝ている横で、他の子が大泣きするということも考えられます。どんな赤ちゃんと隣同士になるかは直前までわかりませんので、少し不安ですよね。
またバシネット座席は前方にあるため、静まり返った機内で赤ちゃんがぐずり始めてしまうと、注目の的になってしまいがちです。
デメリットというほどの事ではないかもしれませんが、もしこの状況になってしまったら、ゆっくりしていただく時間も少なくなってしまう可能性があるということで、取り上げてみました。

客室の一番後ろのスペースは少し広い場合が多いですし、客室よりも涼しいので、赤ちゃんの気分転換にはいいかもしれませんね(^^)
近くにCAもいるので、困った時は気軽にCAに声をかけてくださいね!
私がCA時代に、バシネットを利用する赤ちゃん連れのご家族を見て感じたこと
とあるフライト・・・これから7時間のフライト!
頑張っているママさんに少しでも機内でゆっくりしてもらいたく、離陸後ベルトサインが消えてすぐにバシネットの準備 (^^)
ウトウトしている赤ちゃん。
・
・
・
「よし!!寝た!!」と、すぐにバシネットに寝かそうとするママ。
バシネットに寝かしてカバーを閉めようとすると、途端に泣き出す赤ちゃん・・・(>_<)
実はバシネットでぐっすり寝てくれる赤ちゃんもいれば、全然寝てくれない赤ちゃんもいます。
10年以上、CAとして勤務しましたが、フライトの間ずっと寝続ける赤ちゃんは、ほとんど見たことがないかもしれません・・・
「だったらバシネット、必要!?普通の席でいいじゃん。」と思われる方もいるかもしれません。
でもバシネットがあると、たとえ赤ちゃんが寝てくれなくても便利なんです♪
バシネットは目の前の壁に装着されているので、空っぽのバシネットにバッグや赤ちゃんグッズを置いておけば、席を立たずに簡単に物に手が届き、とっても便利なんです!
赤ちゃんが自分の腕の中で寝ている時に、動いて物を取るのは大変ですもんね(><)
あとから「やっぱりバシネットはいらない」ということも可能ですので、バシネットが必要がどうか迷われている方は、一応予約しておくことをオススメします!(^^)
バシネットの予約方法
バシネットの事前予約は基本的に電話のみで、Webサイトでは予約できません。
もし旅行代理店から航空券を予約している場合は、その旅行代理店にお願いしてもいいかもしれませんね。
[table “42nbsp” not found /]ただしバシネットの数に限りがあるため、残念ながら予約をすれば確実にバシネットを使える、というわけではありません。
バシネットを使用したい場合は、早めに予約しておく方がいいですね!
バシネットの予約ができなかった場合
あいにく、赤ちゃんの予約数が多くてバシネットの事前予約ができそうもない場合には、次の2つのことも検討してみてください。
- 当日チェックインカウンターでもう一度聞いてみる
- バシネットは諦めて、後方座席をリクエストしておく
当日チェックインカウンターで、もう一度聞いてみる
事前予約でバシネットをお願いしたのち、空港に到着したらなるべく早くチェックインカウンターでもう一度、バシネットが使えないか聞いてみましょう。
バシネットのキャンセルがあったり、赤ちゃんが小さい場合は、優先的にバシネットを用意してくれるかもしれません。
もちろん満席のフライトだと望みは、かなり薄いですが・・・試してみる価値はあると思います!
バシネットは諦めて後方座席をリクエストしておく
バシネットは事前予約できませんが、普通席は予約の際に事前座席指定ができます。
それを利用して、機内後方の座席をリクエストしておくのも一つの手段です。
後方には広いスペースがあり、お手洗いも近い場合が多いので、赤ちゃんがずっと起きている場合や、よちよち期の赤ちゃんにはバシネット席よりも使い勝手がいいというメリットもあります(^^)

まとめ
赤ちゃんとのお出かけは、不安を少しでも減らして、心に余裕を持っていきたいものです。
そのためにもこの記事を参考にしていただき、「バシネットが必要かどうか」も含めて検討してみてください!
赤ちゃんにとっても、赤ちゃんをお連れになる家族の方にとっても、素敵な旅になるといいですね♪
トリップアテンダントのメンバー「Asumi」さんが、動画を撮ってくれていますので、チェックしてみてください(^^)
音が出ますので、音量にご注意くださいね!